コポコポ…
気泡が視界に映る。
ここ、どこ…?
自分の体に繋げられた大量のチューブ。
やだこれ…外したい…。
それより
私は、誰なの?
操り人形.no.1
次第に、視界が広がってく。
液体の、中…?
「!博士!!、実験体001が目覚めました!!」
一人の男性が円柱の水槽の中にいる私を見て叫んだ。
あ…いっぱい何か来た…。
「…成功だ」
成功?何が…?
「あの一族をベースに人を創れた…!!これで学界で名があがる!!」<br>
あの一族、って何…?<br>
わかんない、ねえ、ここから出してよ。<br>
「とりあえず、出してやれ」<br>
水槽内の液体はどんどん何処かへ流れ出る。
「ゲホゲホッ!!カハッ!!」
いきなり器官に空気が入り、私は思わず咽た。
水槽から出されると体にタオルを掛けられた。あ、私何も着てなかった…。
「だ、れ…?あなたはだれ…わたしは、だれ…?」
小刻みに震える私の体。
怯えている。何もかもに。
「ごめんね、怯えさせたみたいだね。私は山川。君は…」
山川は一瞬、窓の外を見た。
綺麗な満月。
「君は、月沙」
「つき、さ…?」
そんな、名前なの?
私は。
「目覚めてくれて有難う。月沙」
優しい言葉。
でもこの時まだ私は知らなかった。
この言葉の裏に隠された真実を。
***
月沙視点。
多分。
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